2016年09月02日〜04日 晴れ

updated 2016.09.13   
黒部ダム入下山口       北方稜線  剱岳  真砂沢〜池の平〜剱岳〜剣山荘〜真砂沢
北方稜線 周辺地図
動画

北方稜線 剱岳

一般に北方稜線は 池の平から 剱岳までで
近年人気のあるルートである

剱岳の岩場
  • チンネ
  • ジャンダルム
  • 小窓王
  • 八ツ峰VI峰フェース群
  • 八ツ峰三ノ窓側(函ノ谷、菱ノ谷)
  • 源次郎尾根I峰平蔵谷側側壁、源次郎尾根II峰平蔵谷側側壁
  • 本峰南壁、本峰北壁
  • クレオパトラ・ニードル
  • 東大谷(中尾根、駒草ルンゼ、富高ルンゼ)
  • 池ノ谷
    • 右俣(中央ルンゼ、右俣奥壁)
    • 剱尾根(ドーム北壁、ドーム南壁)
    • デルタフェース
  • 小窓尾根白萩川側フェース群
ハシゴ谷乗越近辺より     剱岳の全貌




北方稜線

1日目

 黒部ダムを7時55分出発 旧日電歩道をダム下へ下る 天候も良く 気持ちの良い山行になりそうである ダム下近くで ダム周辺を管理してる方に 辺情報を確認する 今年は積雪が少なく 早い時期から下の廊下は通行出来るが 2・3日前の雨で 内蔵助谷の先で 崩落が有り 通行はかなり厳しいかも知れないとの事であった こちらは 内蔵助谷を登るので問題なし と言う事で お礼を言い 先を急いだ ダム下で 対岸に渡り 下の廊下を内蔵助分岐へ 気合を入れて 谷へ突入 今年は 例年より3キロ程 荷物は少ない 源次郎尾根は登らないので ロープ ハーネス等 登攀に必要な装備は持参していない  

ハシゴ谷乗越で大休止 ここで2人パーティが遅れて 到着 しばらく 今回のルートについて会話 同じ北方稜線を行くとの事で情報交換 お二人は山岳会に加盟してい為 ロープ等の装備を持参しないと山行許可が下りないとの事で 持参したとの事 山岳会は 大変そうである

先にお二人が出発 遅れてハシゴ谷を出発 剣沢近くで 左に真砂沢ロッジへ向う予定であったが 看板で 雪渓が無いので通行止め と書いてあった 仕方が無いので剣沢まで下る  ここで先程の二人が 辺りを 見回している 良く見渡すと有る筈の丸太橋が無い 唖然とする 上流約300メートル近くで作業している人が居るので 近づいて話を聞く 今橋を掛けているので しばらく渡れないとの事 下流で 渡る様にと指示された 下流に戻り 後に来た単独の登山者と4人で 浅瀬で 流れの緩やかな場所を探す 30分程うろつき 丸太橋跡を渡る事にする 順番に渡り 私が最後に パンツ一枚で川に突入 何とか渡ることが出来た  あ〜冷たい

お二人は池の平へ 小屋に付く頃には暗くなりそうである 後から来た単独の方は 池の平を変更 私と一緒に 真砂沢へ行く事になった 

真砂沢ロッジに到着するが テントは一張りしか立っていない 静かな夜になりそうである 小屋でオーナーの佐伯さんと1年ぶりに再会 山談義になる 今回どこへ行くのと聞かれ 北方稜線を計画している旨を伝える いきなり 長次郎谷は雪渓が少なく 通過出来ないとの事 そして目の前の剣沢を指した 見ると毎年有る所に雪渓は無い いきなりショックを受ける 一日での縦走は厳しいとの事  色々考え 明日15時間以上の行動時間を覚悟して やはり縦走する旨を伝えた


2日目

AM 1時00分 テント場を出発 暗闇の中は危険である 慎重に沢を下って行く 二股近くで方向を失う 河原が広い上 ヘッドランプの視野範囲が狭い為 周りを見渡せない 30分程うろつく どうも同じ場所を回っている様である 持参のGPSで確認 円を描くように同じ場所を回っていた 方向を修正 二股橋を渡る事が出来た 暗闇の 山道ルートを間違えない様に何度も確認 仙人峠を越え 池の平小屋へ到着 AM4時55分 まだ暗闇で小屋は静まりかえって居る しばらくすると世も明け 周りを確認できる様になる  いよいよ鉱山道から小窓雪渓に向う 

小窓雪渓は少ない様で 稜線もくっきり見えている為 問題なく通過出来そうである アイゼンを付け雪渓に降りる 稜線を目指して歩を進める 丁度中間点に来た頃 雪渓に降り立つ 2人パーティ 昨日の男女二人の様である 手を振り合図する 本日も行動時間帯は同じの様である  

雪渓を登り ジグザクの雑草を方向へ登る 途中踏み後が二手に別れ 確り付いている右を選択 これが大きな間違いであった 登って行くと 途中から踏み後は消え 低木の中へ 中に入り 進めるかどうか探索 行けそうであるが傷だらけになりそうである あきらめ 先程の分岐へ戻る事にした (二人は 低木に突入した) 分岐を左方向へ進むと難なく稜線にでる事が出来た 眺望は素晴らしい 感動的である  二人は低木を抜け 先を進んでいるのを確認 安心した 

小窓ノ王コルまでに 危険な雪渓が有るが今年は岩がむき出し 危険なく通過 小窓ノ王のコルへ稜線を行くか ガレ場を行くか 悩んだが 先程の二人がガレ場上から 手を振っているのを確認 稜線をあきらめガレ場から 小窓ノ王コルへ ここまで来ると 先の池ノ谷ガリー チンネ 池ノ谷の頭 南へ延びる稜線を望むことが出来る 山を登る者にとってはワクワクする風景が現れる 気持ちを入れ替え 発射台と呼ばれるバンド下る 厳しい様に見えるが フィックスロープも付けられ 特に難しい事は無い 落石だけ慎重に下る 三ノ窓に到着するとテントが一張り 最高の場所である 一人の男性が絶景を独り占め 羨ましい限りである

池ノ谷ガリーへ突入 大変危険な場所である  上から落石がガラガラ落ちてくる 左側から岩にへばり付く様に登って行く 上からは 登山者がガレ場をすべる様に 下って来る  真ん中は危険である ガリーを登りきり池ノ谷乗越へ到着 小休止  上を見ると 池ノ谷の頭へ垂直の壁 見た目には ロープなしで登れるのかと思う程の壁である しばらく見ていると 先程の二人が取り付いている 岩は確りし足場は沢山ある様である 休憩の後 岩に取り付く 足場が沢山あるので コースを選ぶ事無く上へ上へ登って行く 難なく15分程で池ノ谷の頭へ到着  ここも最高のビューポイント 北へ伸びる北方稜線 南へ延びる北方稜線 素晴らしい 目の前に チンネ 八つ峰の頭 そして これから向う長次郎の頭 最後に本峰剱岳 いつの間にか疲れは消えていた

長次郎の頭は 長次郎谷側をトラバース 狭いので注意が必要 そして長次郎のコル 雪渓さえ有れば下山は ここからと決めていたが残念 後は 踏み後をたどり剱岳山頂へ 少しガスがかかり 視界が少ないのが残念 

山頂到着 10人程の登山者が 登頂を祝い 感動を味わっていた  目的は達成したので 早々に下山開始 今回は剣山荘経由なので まだまだ時間はかかりそうである 一服剣手前で 急激な睡魔に襲われる 行動時間が長い為 体力の消耗 糖分を口に入れ15分程休憩 眠気も取れ 剣山荘に到着 小屋で 真砂沢への近道を確認する 小屋前ヘリポートから左へ向うと降りれるとの事 (積雪期はどこからでも降りれるが) ここで本日 同じコースを前後しながら行動が一緒だったお二人に別れの挨拶をし小屋を出発 真砂沢を下る 平蔵谷近くから 雪渓はボロボロ 穴だらけ まだ雪渓には降りれない 長次郎谷出会いまで夏道を下り雪渓を横断 真砂沢へ下山した 長い一日は終わった

真砂沢ロッジでは オーナーの佐伯さんが出迎えてくれる 今回のコースの報告 長次郎谷の変更は正解であった事 そして山談義 1時間近く 話し込んでしまった  そして本日の行動時間は 17時間であった

3日目

来た登山道を 黒部ダムへ下山した





北方稜線 縦走


コースと所要時間

2016年09月02日〜03日       晴れ  北方稜線縦走   

9月01日 23時30分  自宅を出発 扇沢無料駐車場着 AM3時30分  6時まで車で仮眠


               1日目

扇沢駅出発  7時30分 → 黒部ダム着 7時45分

黒部ダム出発7時55分 → 黒部下の廊下 内蔵助分岐9時00分 → 内蔵助平11時00分 → ハシゴ谷乗越12時35分

剣沢丸太橋跡14時05分   
橋が無い為 浅瀬を探索  パンツ一枚で川を横断14時45分    真砂沢ロッジ着15時15分


               2日目   下山予定の 長次郎谷は今年 雪渓が少なく 通行不可の為 コース変更 大幅な時間ロス

テント場出発 AM 1時00分 → 二股 2時35分 → 仙人峠 4時25分 →  池の平小屋 4時55分 → 小窓雪渓取り付き 5時50分

雪渓上部 7時00分 → 小窓王のコル 9時40分 → 三ノ窓 10時00分 → 池ノ谷乗越 10時50分 → 池ノ谷尾根の頭 11時15分

長次郎のコル 12時05分 → 剱岳山頂 12時50分     山頂出発 13時10分 → 剣山荘 15時45分 → 真砂沢ロッジ下山 18時05分


               3日目

テント撤収下山開始 AM 6時10分 → ハシゴ谷乗越 7時50分 → 内蔵助平 9時05分 → 黒部下の廊下分岐 10時55分 → 黒部ダム下 11時50分

黒部ダム駅下山 12時25分


               歩行時間   30時間30分

               1日目     7時間10分

               2日目     17時間05分

               3日目     6時間15分



1日目
黒部ダムより内蔵助谷→ 真砂沢ロッジ ぶらり山旅 コースタイム


黒部ダム

黒部ダム下から 黒部ダムを見上げる



黒部下の廊下

ダム下から対岸に渡り 黒部市下の廊下を 内蔵助谷分岐まで 下って行く




剣沢 丸太橋が かかっている場所    先人の女性が渡って行く  

剣沢へ下りる手前 真砂沢ロッジ近道の登山道が通行止め (今年は雪渓が無いとの事で) 
剣沢まで下って来た

剣沢では かかっているはずの橋が無い 唖然とする 300メートル程上流で工事をしている
人が居るので 近づいて行くと これから橋をかける 今は渡れない 下流で渡れとの事

先人の登山者と 川底を探索 浅瀬で流れの緩い所を探す

結局 例年かかている場所から 一番最後に パンツ一枚で渡りきる

扇沢駅 出発
7時30分




黒部ダム出発
7時55分
今年も 来ました 見慣れた風景です 水をザックに詰め込み 先ずはダム下へ


















ハシゴ谷乗越
12時35分





剣沢 丸太橋跡着
14時05分




剣沢を渡りきる
14時45分





真砂沢ロッジ
15時15分
今日はテント 3張り 静かな夜になりそうである


2日目
北方稜線縦走 ぶらり山旅 コースタイム


二股橋に到着

河原が広く ヘッドランプの視野が狭い為 二股手前で 30分程方向を見失う

仕方が無いので 持参のGPSで 位置確認 同じ場所を 円を描くように回っていた
 方向を修正し 二股を通過



展望台小窓から 

世も明け これから縦走する北方稜線に朝日が当たり とても綺麗である
右端に これから登る小窓雪渓を確認



小窓雪渓

小窓雪渓 いよいよ降り立つが雪渓は かなり小さくなっている様だ 

小窓稜線も見えているので 登る時間を予測し 上を目指して登る




真砂沢ロッジ出発
AM 1時00分



二股
2時35分
河原が広く ヘッドランプの視野範囲が狭い為 30分程 方向を見失う




池の平山荘
4時55分
まだ暗闇で 小屋は静まり返っていた






展望台小窓
5時35分




鉱山道
一般登山者は 入らない様にとの 注意書き




小窓雪渓を振り返る

展望も開け気持ちがよい 進行方向には小窓ノ王も見えている






前方のピークの手前左に 巻き道を行くと 危険な雪渓に出る




雪渓のある場所

今年は雪渓は無く岩がむき出しになっている














小窓雪渓を登りきる
7時00分
ここから雑草の中をジグザクに 左方向へ進む








小窓ノ王のコルへの登り

小窓ノ王のコルへは このガレ場を登って行く 

ガレ場の手前 稜線近くからコルへ 降りようと考え 登っていたが ガレ場を登る
先人のパーティから手を振られたので 少し下って ガレ場から 小窓王のコルへ


小窓ノ王のコルより チンネ 池ノ谷ガリー  

小窓王のコルから見渡す 池の谷乗越 池ノ谷の頭 そして左方向へ 北方稜線は続く
池ノ谷カリーは 慎重に登らなければ 落石で危険のようだ

先ずは 三ノ窓まで 発射台と呼ばれる場所を下る



小窓ノ王のコルより 三ノ窓へ下る   

三の窓への下りは急斜面ではあるが フィックスロープも付けられ
見た目より スムーズに下ることが出来る




三ノ窓に下るバンド 「発射台」と呼ばれている

スムーズに下る事が出来た





小窓ノ王のコルより
9時40分
登って来た ガレ場を振り返る

左手の斜面を登る予定であったがルートの確認を忘れてしまった
























































三ノ窓
10時00分
三ノ窓では人張りのテントが立っていた
最高のビューポイントである 遠くに五竜岳 鹿島槍ヶ岳 後ろ立山の稜線が綺麗である




池ノ谷ガリー  下から上層部を見上げる

足場が悪く 落石が危険で 通過は慎重に 左側から通過すれば 登りやすい様である





池ノ谷乗越より 池ノ谷の頭への登り 

目の前に垂直の壁 池ノ谷の頭へは ここを登らなければいけない
小休止の後 壁に取り付く 足場は確りし 手がかりも多い 見た目
よりも登りやすい  約15分で 池ノ谷の頭へ到着



池ノ谷乗越
10時50分
長次郎谷を見下ろす

雪渓も少なく下の方は
大きなホールドに





池の谷の頭より

これから通過する 長次郎の頭 そして本峰 剱岳
長次郎の頭は 左から 長次郎谷側を巻く


北方稜線を振り返る 左から チンネ 三ノ窓の頭 八つ峰の頭
右方向へ八つ峰



まだまだ続く 岩稜 この先左側へトラバース



通過ルートは かすかに残る 足跡をたどる



長次郎のコルより

長次郎のコルへ下る パーティ  懸垂下降をしている様だ

ここまで来れば後は 確りした踏み跡を辿り 本峰剱岳へ

長次郎谷 八つ峰が 綺麗である  

綺麗な八つ峰を後にし 本峰剱岳へ
































長次郎谷と八つ峰
11時35分
長次郎の頭を 左から 長次郎谷側へ巻き 少し下った所で休憩






























































北方稜線 主な峰からなる。
縦走路
  • 本峰剱岳(2,999m、主峰、最高峰
  • 長次郎の頭
  • 池ノ谷の頭
  • チンネ
  • 小窓ノ王
  • 小窓ノ頭




本峰剱岳の 山頂が見えて来た



剱岳山頂

山頂に到着したが まだ時間がかかりそうである 下山ルートの長次郎谷が 雪渓が少ない為
通過不可能  よって剣山荘まで 下り そこから更に 真砂沢へ まだまだ時間はかかる


剣沢雪渓 武蔵谷近くから     平蔵谷辺りまで雪渓は無さそうである

雪渓は クレバスと 大きなホールドだらけ これだけ少ない雪渓は 過去に見た事は無い

今回 長次郎谷からの下山を変更した事に 間違いは無かった様だ























剱岳山頂
12時50分
少しガスがかかり 展望が悪い

早々に下山開始









 剣山荘
15時45分












真砂沢ロッジ下山
18時05分
               3日目      黒部ダム下山
AM 6時10分 テントを撤収し 真砂沢を後にする

最終日 ハシゴ谷乗越 下の廊下出会い 黒部ダム 最後まで 登山者とは出会わず

12時25分 黒部ダム駅に 下山




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