2日目 |
1時00分
2時13分
4時43分
6時45分
8時25分
8時40分
11時00分
11時25分
12時30分
13時30分
15時15分
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起床
トイレと 朝食を済ませ 出発の準備をした 外は 冷え込み 雪面も凍っている 今日の天気は 快晴で 空には星が花開いて
いる 素晴らしい天候である
ヘッドランプを付けて 出発
外はまだ暗闇の為 足元しか確認出来ない 明るいうちに叩き込んだ ルートを 頭の中で確認し 天狗沢へと入っていった こ
の沢は雪崩の巣と言われている 注意しながら 登っていく 頭で記憶したルートは いつの間にかハズレ 凸凹したルートを進
んでいた 温度が低い為 アイゼンの効きは良い とにかく この危険な箇所を早く抜け出したい為 休み無く 進んだ 気が付
くと いつの間にか 稜線手前まで登ってきていた あたりが 薄明るくなり まもなく夜明けである
天狗のコルに到着
いままでは 約3時間かかっていたが 今回は 雪質が良く 2時間30分である また 疲れも殆ど無い 最高のコンデションである
10分の休憩を取り ジャンダルムを 目指すことにした 稜線には 消えかかったトレースが 少し付いている 足跡をたどりながら
前進した アイスバーンの所もあるが 積雪が多く 特に不安は無い 6時30分ジャンダルムが目の前に飛び込んできた 憧れのジ
ャンダルム 感動である
ジャンダルムに到着
取っ付きには 雪を堀ビバーク跡が確認できる 雪堀面が広く3 4人以上のパーティかもしれない 岩ぎりぎりまで近づいて見ると
右迂回のトレースが無い 風が強く足場が消えたのであろう 引き返すかしばらく考えた末 前進することを決意した ピッケル
を打ち込み 足場を確保何度も何度も繰り返し 約20分で 裏側に抜け出る事が出来た しばらく 足の震えが止まらない 気持ち
を入れ替え前進した しばらく行くと 次の難所のロバの耳である 無積雪期は鎖もしっかり有り 殆ど 不安は無い 今回は 特に
雪が多く 切れ落ちた100数十メートルの 壁にトレースが無い 過去6回この時期に通過しているが 注意しなが不安なく通過して
いるが 今回は過去に味わった事の無い不安が頭の中を横切った 引き返すことも出来ない 進む事も困難である 防寒準備も
完璧でない為ビバークも出来ない 救助を呼ぶか 前進するか決断しなければならない 下巻きのルートは はるか下である ここ
を越えれば 奥穂高岳山頂はすぐそこである 一回のミスも許されない 落ちれば間違いなく 5〜600メートル いや それ以上は
滑落するであろう しばらく自分と葛藤し 前進する事を決意した
壁に ピッケルを打ち込み アイゼンを効かせ 足場を確保 三点確保を忠実に 一歩一歩下降していった 約1時間 何とか トラ
バース地点まで下ることが出来た 今度は反対側の壁を登らなければならない しかし ここは特に不安は無い 15分ほどでコル
に到達 ここで10分程休憩 足の震えが止まらない 水分を補給し 行動食を口にする 何とか落ち着きを取り戻し 最後のピーク
に 取り付いた 長い登り 直登である かなり厳しいルートであるが 先程のことを考えれば 特に苦にならない しかし 神経を集
中し 注意しながら 登り切る 目の前に奥穂高山頂が 飛び込んできた 後は一箇所馬の背をクリアーすれば良い
奥穂高岳山頂到着
テント場を出発してから 6時間10分 予定通り6時間で山頂に立つことが出来た 快晴無風で 360度の展望は最高の眺めである
しかし ここまでの ルートを振り返えると 心のそこから喜ぶことが出来ない やはり 自分の判断の ミスである 過去2回 天
狗のコル近辺と ジャンダルムで 登山を中止した事がある それは自分の的確な判断であった しかし 今回は 最初のジャンダ
ルムでの難に 悩みながらも 前進したことである 無事に山頂までこれたから 良いが 批判されても仕方が無い行動であった
反省も含め 20分留まり 気持ちを引き締め 吊尾根 前穂高岳を 目指して出発した
山頂出発
前穂高方面もトレースは少ない かすかに浮かぶ足跡をたどり 進んでいく ここからはアップダウンも少なく ルートはあまり気
にする事なく進むことが出来る (雪庇の踏み抜きだけは 気をつけなければならない) 滑落に注意しながら慎重に進んでいく
すでに出発から7時間ぐらい 経過している為 思うように足は出ない とにかく 一歩一歩進んでいく 10時40分 前穂高 直下
に到着 山頂方向を見上げると ここも 厳しい傾斜である 岩も殆ど 見えなく 雪に覆われている 雪面も硬く 足場を確保しな
がら 山頂を目指す 30分で登りをクリアし 山頂に飛び出ることが出来た
前穂高岳山頂
山頂で 2人の登山者に出会う 一人は 奥穂高を目指すか 検討ししているとの事であったので 今までの通過過程を伝え コ
ース上のアドバイスした 話の中で 不安を感じているようなので 奥穂高登頂は断念するよう促した もう一人は 山岳スキーヤ
である 山頂で出会うのは初めてである 数々のピークから 滑り降りているとの事 只者ではない まして ここは30902メート
ルの 前穂高山頂である ゴールデンウイークの前半は 立山に居たとの事素晴らしい 剣岳も 平蔵谷からの滑走を 昨年の5
月に行ったとの事 感動である 腹の虫も騒ぎ 自分も行きたくなってしまった 少なくとも スキーヤーから 平蔵谷の情報はえた
その後 3090メートルの前穂高山頂から彼は滑走していった 今回は 自分も 山頂かシリセードで下る 予定だったので 破
けても良い ズボンを持参 重ね着をし 山頂を後にした
山頂より下山開始
シリセードは 思ったより 神経を集中しなければならない まして 山頂からなので 速度をセーブするのは難しい 途中何度も
止まり下っていった
岳沢小屋到着
今回の登山は 終了した
今日はもう一泊ここで泊まる予定だったが まだ時間も早いので 本日下山をする事を決め テントを撤収した
岳沢小屋下山に向けて出発
上高地バスターミナル着 |